国立大学法人 電気通信大学と共同でコロナ感染症対策のワークショップを保育施設にて初実施~子どもたちのための安心安全な保育環境の強化に向け、保育士に最新の感染症対策を指導~

ライクキッズ株式会社は2022年9月22日に東京都調布市の「にじいろ保育園 柴崎」にて、電気通信大学特任准教授・石垣陽氏にワークショップ「エアロゾル感染対策」を当園の保育士向けに実施いただきました。「エアロゾル」とは空気中に漂う微粒子のことで、これらは目で見えないため感染対策が難しく、とくに「換気の悪い密閉空間」では感染リスクが高まります。子どもたちのための安心安全な保育環境の実現に向け、専門的かつ正しい知識を身に付けました。

意図的に感染症対策されていない教室で間違い探し 

▲換気扇のスイッチが切れていることに気づきました

 ワークショップ「エアロゾル感染対策」は2部構成で実施されました。前半は意図的に感染症対策がされていない教室に行き、対策として誤っている所はどこか、保育士たちで間違い探しを行いました。保育士たちはそれぞれ教室に散らばり、13か所全ての間違いを見つけることができました。一つひとつなぜ間違いなのか、どうすれば正しい感染症対策になるのかを石垣氏より専門的な見解を基にご説明いただきました。
 例えば、換気扇スイッチ。電気代のことを考えるとこまめに消した方が良いと考えがちですが、感染症対策となるとそれは誤りです。毎日大人数の子どもたちが過ごす保育施設内では24時間換気扇を回し、十分な換気を行う必要があるのです。次に、消毒用に使用している次亜塩素酸Naです。これは、液体に光が当たらないようにしないといけません。間違い探しでは透明のボトルが用意されており、これでは光が当たってしまうため消毒の効果は損なわれてしまいます。
 後半は感染症対策に関する座学を実施いただきました。間違い探しで見つけた誤った感染症対策について、正しい対策方法を教わりました。また新型コロナウイルス感染症に関する検査方法の種類や違い、検査を受ける時期についても指導いただきました。子どもたちが安心安全に過ごせるよう感染症対策に取り組むことは保育施設の運営において必要不可欠ではありますが、子どもたちを見守る保育士も十分に気をつけなければなりません。感染症が疑われる場合には症状の内容や、症状が現れた時期を確認し、それらにあった検査の方法と時期を見定めることが子どもたちを守ることにつながります。
 参加した保育士からは、「実際に体を動かしながら探すことで、自分の知識を試すことに繋がった。学び方として、とても分かりやすいやり方だった」「園だけでなく、自分を守るために家庭でも実践していこうと思った」との感想がありました。今後も安心・安全に子どもたちが通えるように保育施設を運営してまいります。

▲次亜塩素酸Naは何が違うのでしょうか

▲座学では正しい感染症対策について教わりました


ワークショップ実現に寄せた保育士たちの想い

 新型コロナウイルス感染症が流行し約2年半、保育施設でのクラスターは今もなお発生し続けています。石垣氏は「エアロゾル感染対策」の研究を行うなかで保育施設において共通的に配慮するべき点があることを明らかにしており、ライクキッズの運営する認可保育園でも調査いただく機会がありました。その際のフィードバックに保育士たちからは「子どもたちの健康面の安全を考え、エアロゾル感染対策についてもっと学びたい」という声があがり、今回の実施に至りました。


■エアロゾル感染について
 新型コロナウイルス感染症の感染経路は「接触感染」「エアロゾル感染」「飛沫感染」の3つに分けられます。「エアロゾル」とは空気中に漂う微粒子のことで、これらは目で見えないため感染対策が難しく、とくに「換気の悪い密閉空間」では感染リスクが高まります。

参考:電気通信大学 石垣陽特任准教授(情報学専攻)及び横川慎二教授(i-パワードエネルギー・システム研究センター長)を中心とする研究チーム監修 「実践!換気対策ガイドブック」
https://www.design4humanity.com/kanki/

 

■電気通信大学 特任准教授・石垣陽氏について

石垣 陽(いしがき よう)/工学者、デザインエンジニア、 国立大学法人電気通信大学 特任准教授、慶應義塾大学理工学部 特任准教授、北里大学 医療衛生学部 非常勤講師
福島第一原発事故の直後には世界初のスマホ接続型放射線センサ「ポケットガイガー」を考案、新型コロナのパンデミックでは換気の度合いを可視化する「ポケットCO2センサー」を普及させるなど、市民のための身近な環境リスクコミュニケーションの実現を目指している。JICAのプロジェクトにより、アフリカやインドなど途上国での環境教育にも力を入れる。
石垣 陽(博士(工学) )Design for Humanity /人類のためのデザイン研究室
HP:https://www.design4humanity.com/