5年間で築いた「愛」と「信頼」のファミリー:にじいろ保育園 駒岡・田中葉月先生の成長ストーリー
にじいろ保育園駒岡で保育士として働く田中 葉月(たなか はづき)先生。大分の短大を卒業後、2021年3月にライクキッズ株式会社に新卒入社し、開園当初から5年間、子どもたちと共に歩んできました。現在は5歳児クラス(たいよう組)の担任を務めています。田中先生の保育に対する真摯な想いと、ライクキッズが大切にする「第二のわが家」という理念を体現する心温まるエピソードから、その成長と情熱に迫ります。

夢を叶えた新卒入社:コロナ禍を乗り越えて
田中先生の保育士への想いは、小学校3年生の時に書いた将来の夢にまで遡ります。「ずーっと前から保育士になりたくて。小学校3年生の時に学校で将来の夢を書いた書き軸に、もうすでに『保育士』って書いてて。そこから、他の職業を考えたことはなかったんです」と、この一途な夢は、中学、高校、短大の進路選択にも一貫してきました。「高校も大学も、保育関係の仕事をするって決めてからの逆算で、進路を考えていた感じです」と、迷いはありませんでした。
田中先生が保育士を志した背景には、自身の体験も影響しています。「弟がいるんですけど、弟のお世話とか、いとこのお世話とかは、すごく好きでやってて」と、幼い頃から年下の子の世話をすることが好きだったそうです。そして、「母が(保育士ではありませんでしたが)保育園に勤めていたということもあって、保育士の先生と密に関わる時間が多かった」ということもあり、保育園自体に親近感があったことも、この道に進む後押しとなりました。
「出身地である大分での就職を考えていた田中先生の心を変えたのは、コロナ禍でのライクキッズとの出会いです。「ずっと、地元に就職しようと思ってたんですけど、ライクキッズの広告をインスタで見て。社宅が1万円で住めるとい直接の園見学が難しいコロナ禍の中、Zoom面談などで複数の園を比較した田中先生が、最終的に入社を決意した理由は、人との繋がりにありました。最終的な決め手は、採用担当者の温かさでした。「『ライクに決めなくても、田中さんが、将来こういう保育園で働きたい、保育の仕事は楽しそうだな、って思ってくれたらいいな』っていうお話がライクキッズの採用担当の方からあって。そういうお話をしてくださるっていうのは、すごく温かいなと思って。なので、私のなかでは、採用担当の方が入社の決め手でした」。
田中先生は、新卒で入社し、にじいろ保育園駒岡の開園当初からオープニングスタッフとして働き始めました。「新園の開園当初から新卒で入って5年間、ここで働いてきたっていう感じです」と、園と共に歩んできました。開園当初は、園舎の準備をすることからで、大変なスタートだったと言います。「すごい大変でしたね。初年度は、段ボールの開封からやったので。段ボールを開けすぎて、手がガサガサになったりとか」と、苦労を振り返ります。
「楽しい」を追求する保育:子どもと共に主体的に成長
田中先生に仕事の様子を尋ねると、即座に「今、一言出てくるとしたら、楽しいですね!」という言葉が返ってきました。
田中先生の保育のスタンスは、子どもたちの主体性を最大限に引き出すことにあります。特に5歳児クラスでは、活動の準備から片付けまで、全てを子どもたちと一緒に行います。「準備するのも、私1人がやっても楽しくないというか、私も大変になってしまうので、『やりたいんだったら、一緒にやろうよ』って言って、基本的に準備から片付けまで全部、子どもたちと一緒にやるというスタンスで活動しています」と田中先生は話します。
「その活動だけでも楽しいですが、それ以外のところも楽しんでやれると思うんです。これから小学校に行くために教科書を準備しなきゃいけない。それを、保護者の方がやるよりは、自分でやれるようになるといいと思うんです。自分のことですし。」と、田中先生は遊びを通じて、子どもたちの主体性を引き出していくのです。
こうした実践の結果、子どもたちには明らかな成長が見られます。「子どもたちも、すごく自主的に、『これやるんだったら、あれがいるよね。あれ、あそこにあるから、取りに行ってもいい?』みたいな感じで、話しかけてくれるのは、(同じクラスの担任を続けている)この2年間で子どもたちがすごく成長したなと思うところです」と、その効果を実感しています。
また、保育士としての嬉しさを感じる瞬間は、子どもたちの「目に見えない成長」が感じられた時です。「今、5歳(年長)を持ってるんですけど、新卒の時に見てた子たちが5歳になってるんです。あんなに小さかったのに、こんなに大きくなって、喋るようになって、動くようになって、っていう。目に見える成長もそうですけど、心の面でも、友達とのやり取りの中で、自分たちで解決できるようになってきたんだとか、目に見えない成長を感じるときは、泣きそうになります。」
過去に繰り返し伝えてきたことが、子どもたち自身で実践できるようになった瞬間も、大きな喜びに繋がっています。「根気強く関わってきた甲斐あるなっていうか。いつのまにか、『私が関わらなくても遊びが成り立ってるな』っていうのを感じると、『おお、成長してる』って思いますね」と、やりがいを感じています。
一方で、子どもたち同士のトラブルが複雑化し、対応に悩むこともあります。「どうしても、年齢が上がるにつれて、複雑になってきてて。(中略)何が言いたいんだろうな?っていう、頭を使うところもそうですし。じゃあ、この子が言いたいことは何だろうって、わかったとしても、そこからどうやって話をすればいいのかとかは、未だに悩みます」と、5年目でも難しさを感じています。

職場の「人間関係」と「第二のわが家」の実現
田中先生にとって、日々の仕事は「大変だけど、楽しい」というバランスで成り立っています。書類関連の業務や、子どもたちの複雑なトラブル対応など、乗り越えるべき課題も少なくありません。そんな時に田中先生を支えているのは、「保育だけじゃない楽しさ」、すなわち温かい職場の人間関係です。ライクキッズが掲げる「第二のわが家」のステートメントにあるように、「子どもの成長をともに喜び、働く仲間を大切にする」という想いが、田中先生の保育を支えています。
田中先生は「保育だけじゃない楽しさを職場で見つけられたら、さらに違う面白さを感じられると思いますね。職場の人間関係が、私は好きですね」と、職場への強い愛着を語ります。
まるで家族のような同僚・先輩たち
にじいろ保育園駒岡には、正社員やパート社員、先輩や後輩といった垣根がなく、「ファミリー」のような温かい人間関係が築かれています。「今いる先生たちで仲良くやってるなっていうのはありますね。(先輩後輩の)きっちりした上下関係っていうよりは、ラフに相談もできますし、楽しい話もできるしっていう関係性ですね」と、風通しの良さを強調します。
パートの先生方も田中先生を可愛がってくれると言います。「パートさんたちは、それこそ、私のお母さんぐらいの年代の方たちがいるんですけど。もう、可愛がってくれる感じで。『大分に帰ってきたの?何してきたの?』と気にかけてくれて、家って感じがします」と、まるで親戚のように接してくれるそうです。
太陽のような園長先生
園長先生は田中先生にとって、まさに「第二の母」のような存在です。「配属の初日に園長先生は、『もう、第二の母だから』って言ってくれて。私が帰省する時なども、『帰りな、帰りな』って言ってくれます。有給もすごく取らせてくれます。もう、本当に、こっちにいるお母さん的存在です。仕事でも気軽に相談できる、私にとってはなくてはならない存在というか、大好きですね。」と、深い信頼を寄せています。
また、園長先生の存在は、園全体の雰囲気にも大きく影響しています。「園長先生が、あんなに明るくて元気なので。園長先生がいて、『ああ、駒岡は、今日もやってるな』っていう感じがしますね。元気をもらいます、朝から。」と、園長先生は園の太陽のような存在だと語ります。

保護者との「信頼関係」を築く:ライクキッズの理念を体現
ライクキッズが大切にする理念「第二のわが家」は、「子育てに迷ったら、いつでもなんでも相談できる」、「子どもと親と保育士。この三者の間に『あなたでよかった、ありがとう』の気持ちが通い合う」ことを目指しています。
「田中先生は、まさにこの理念を体現するかのように、保護者様との間で「信頼関係」を築くことが最も大切だと考えています。「信頼関係が一番大事だと思うので。必要事項の伝達だけじゃなくて、日々の些細なことについても会話します。私たちも保護者の方に興味を持ってお話をラフにすることで、ちょっとずつ、ちょっとずつ信頼関係ができてきて」と、日々のコミュニケーションを欠かしません。
その信頼関係は、保護者の方々に通じており、田中先生自身が「ファミリー」だと感じられるほど温かいものです。「今のクラスはファミリーだと思ってるので。15人プラス1で、ファミリーです」と、熱く語ります。
この深い信頼関係があるからこそ、保育園で起きたトラブルや、子どもが成長するために必要な、伝えにくいことも包み隠さず伝えるようにしています。「保育園での子どもの姿をありのままお伝えするようにしています。でも、言い方は考えます。」と、コミュニケーションには細心の注意を払います。
たとえ、子どもを叱った時でも、保護者の方にはその事実と、なぜ叱ったのかという田中先生の想いを丁寧に伝えます。「私が子どもを叱った時もそのことをお伝えすると、『お話をしていただいて、ありがとうございます』と言ってくださって」と、保護者様からは感謝の言葉が返ってきます。
保護者様は、田中先生が子どもたちのことが大好きだからこそ、子どもたちに真剣に向き合っていることを理解しています。「大好きだって思ってくれてるって、子どもたちも保護者の方もわかってるから、話をきいてくださるのでしょうね」と、田中先生は話します。そして、「保護者の方から『(自分が休みをとった翌日に)先生がいなくて寂しかったと言ってましたよ。』って、話を聞くと、心が癒されますね。」と、嬉しさを語ります。

より良い保育を目指して:今後の展望
5年目として、自分の保育に対する考えを持つようになった田中先生は、現状に満足せず、さらなる経験を積みたいと考えています。「これからいろいろなクラスに入って、もっとたくさんの経験をしてきたいと思います。クラスによって子どもたちの成長も違いますし。(同じ年齢でも)クラスカラーが全然変わってきたりもするので、たくさんの経験をしていきたい」と、とても意欲的です。
将来的には、自身の保育理念を形にする夢も持っています。「大学生の頃、自分の保育園を作ってみたいと思ったことはあります。どういう園舎で、どういうクラスの並びでとか。少しですが考えたことがあります。」と、具体的なイメージを描いたこともあると語ります。
そして、いつかは園長先生になるという高い目標も視野に入れつつ、田中先生は、「続けていけば、きっと、そういうポジションに自分が立つ日が来るかもしれないと思った時に、やはり今は、いろんな経験をしていかなければだめだなって思う」と、これからも子どもたちと共に成長し続けていく決意を語ります。
にじいろ保育園駒岡の「第二のわが家」の温かさは、田中先生のような子どもたちへの深い愛情と、保護者様や同僚との信頼を大切にする保育士たちの情熱によって、日々育まれています。

※取材・執筆: 美濃部 哲也(M&I Inc.)
